ドラマ「逃げ恥」はなぜヒットしたのか

10月 25, 2017 / By : / Category : 映画・ドラマ

バラのハート

マンガから大ヒットドラマとなった「逃げ恥」がヒットした理由とは

国民的ドラマといわれ、多くの方がこの物語のとりこになってしまった「逃げるは恥だが役に立つ」、このドラマでは主人公みくりが着用している洋服やエプロンがヒットしたり、逃げ恥のエンディングでキャストたちが躍る逃げ恥ダンスを真似する動画が多数出て来たり、まさしく時代に影響を与えたドラマとなりました。

最終回ではシリーズ最高となる20.8%という視聴率をたたきだし、TBS通うドラマ枠の中で歴代最高視聴率を誇るドラマとなったのです。

このドラマが毎週放送されるたびに、みくりはどうなっていくの?これって恋に発展するの?事実婚ではなく本当の結婚になるのかしら?とみなさん、みくりと平匡さんの進展に目を離せなくなっていきましたし、事実婚などテーマ性もあり、見事に国民的ドラマといわれるまでになったのです。

みくりが従業員、平匡が雇用主となる「事実婚」

恋愛経験がない津崎平匡さん(星野源)と大学院まで出て就職先がなく派遣切りという状態になっている森山みくり(新垣結衣)が契約結婚という名の事実婚し、そこから生まれるおかしい出来事、雇用という形式的な関係から出てくる問題や葛藤、そこにお互いの感情が相まってユニークに、いい意味の軽さを持っている魅力的なストーリーです。

実はこのストーリーは非常に様々な「現代日本」の問題を取り上げていて結婚への価値観や、恋愛下手な男性が多くなっていること、それに同性との恋愛に慎重になりすぎる大人の恋愛等、深い意味が込められている物語となっています。

しかしこれが重々しいストーリーではなく、他の番組をぱろっていたり、みくりの心の中がみくりの言葉として伝えられる楽しさ、ラブコメディーとなっていながら次第に心惹かれあっていく二人の真剣な子悪露など、面白さをもって伝えられているところが非常に大きな特徴となり、また魅力となっているのだと思います。

平匡とみくりが夫婦という状態でありながらも契約結婚なので、お互いにここまで踏み込んでいいのかどうかと迷ったり、周囲の人たちへを結果的にだましているのですが、それがユーモアをもって進展していくので、みていてストレスがなく、この先どうなるのか?と心が癒されながらも気になる作品となっているのです。

社会の色々な問題は現実にすぐ横にある問題

みくりのおば、土屋百合(石田ゆり子)は、平匡の後輩風見涼太(大谷亮平)とかかわっていくことになるのですが、ここにも現代社会で多くの女性が感じている問題がユーモアをもって組み込まれています。

独身でキャリアウーマン、49歳という設定、化粧品広告を扱う百合が作った広告が、異性の視線を意識するモテるために必要なデザインに変更されていたことから、広告取り下げを上司に抗議する時、「だからいまだに独身」「だから必死」といわれます。

こうした男女の中の偏見や、現代40代、50代が持っている結婚観、女性観と現代とのギャップが露呈してくると、みている方としても非常に自分に近い状態と親近感を持ってみる事が出来ます。

時折、ドキッとするくらいに今女性が置かれている立場や、女性が社会の中で一人生きていくことも辛さなどが出てきて、ユーモアあふれる作品であっても、社会的な問題をしっかり押されていることがよりこのドラマに引き込まれていく要因となっていたのでは?と思います。

ヒット作が生まれにくいといわれる現代において、逃げ恥は空前のヒットとなりましたが、マンガにとても近いニュアンスで作られていたこともあり、逃げ恥の漫画ファンの心もしっかりつかむ最高作品となっているのです。

コメントはまだありません